2013年8月14日水曜日

すまいるリトミック発表会2013 メアリー・ポピンズ 



 今年のすまいるリトミック発表会は、「メアリー・ポピンズ」。
メアリー・ポピンズは、ディズニー映画にもなりみなさまもご存知だと思います。
ただ、今回のメアリー・ポピンズは、ディズニー映画よりも、原作に近いメアリー・ポピンズにしたいと考えています。
 メアリー・ポピンズのお話の内容は、あちらこちらで紹介されていますので、それはそちらを参照していただくことにしまして、かなりマニアックな、リトミック目線で、リトミック発表会に向けて紹介させていただきます。
 それと、小学生の頃に夢中になって読んだあの飛ぶような感覚を探し求めてみました。この言葉を覚えたら、メアリー・ポピンズに会えるという「おまじない」の言葉があったはず。それは、どこに書かれているのか。なんと、結論はまだ出ていません。
 それでは!


“ディズニーの魔法にかかると変わってしまう。人魚姫は、人間の足の変わりに舌を切られる。白雪姫も、王妃は死ぬまでダンスを踊らされる。“ディズニーが子どもたちに必要だと考えるには、ありのままの現実ではなく、夢と希望にあふれた世界なのです。”メアリーポピンズのイギリス
twitterより


メアリー・ポピンズの本は、確認出来たものを含めて、
『風にのってきたメアリー・ポピンズ』『帰ってきたメアリー・ポピンズ』『とびらをあけるメアリー・ポピンズ』『公園のメアリー・ポピンズ』『メアリー・ポピンズ AからZ』『メアリー・ポピンズのお料理教室―おはなしつき料理の本』『さくら通りのメアリー・ポピンズ』『メアリー・ポピンズとお隣さん』
になります。
岩波少年文庫からの4冊は、アマゾンからも簡単に購入出来ました。
本当はリトミックの流れに、その他の文庫は必要ではなかったのです。
でも、先に書いたように「おまじない」の書かれていた部分を探したい一心で(しつこいとも言いますが)絶版になっている『さくら通りのメアリー・ポピンズ』『メアリー・ポピンズとお隣さん』
は、図書館から借りました。



風にのってきたメアリー・ポピンズ (岩波少年文庫)
風にのってきたメアリー・ポピンズ (岩波少年文庫)






リトミック発表会では、この「風にのってきたメアリー・ポピンズ」からが、
多くなります。読んでいて、子どもたちの表現と情景がすぐに浮かびました。

お茶会があり(2歳児クラス)、メリーゴーランドにのり(2歳児クラス)
メリーポピンズのかばんから出てくるものは?(1歳児クラス)
笑うガス(まねっこリズムで3歳児クラス)
コリーおばさんと買い物に行き(3歳児クラス)、
夜の動物園は行ってみたら!逆さまです!


絵本などでリトミックをする時も、あらすじは追わない。頭の中で物語の中に。今度は、実際にいってみよう!お話の中に!さあ、立って!という、毎日がディズニー。
twitterより

ディズニー映画のメリー・ポピンズ色は、出したくないんだなあ。だから、春から、文庫ではなく絵本のようなものを探しているんだけど、みつからない。子どもって、ビデオだとそれだけになっちゃうんだなあ。
twitterより

各クラスごとに、お話を割る(?)。そこから、ここはこの年齢のこのリトミックのこのねらいがいい。今までレッスンでやったことが形を変えて出てくる感じ。1回もレッスンでやったことがない、ということはないだろうな。10円くじの飴みたいに、ひとつリトミックをすると、下は絡まっている。
twitterより

“通常の音楽教育では、記憶を通して子どもに動きの感覚を与えようとするが、知的理解を与えようとはしない。知的理解は集中力と比較力の錬磨によって身に備わるものである。動きの感覚の方は、身体経験によってのみ習得できるのである。”「リズムと音楽と教育」エミール・ジャック=ダルクローズ


このような音楽をリトミック発表会で会場全体でやります。教室だよりに、古臭い人のようにカメラは禁止です、と書いたのは、こういうことでもあります。この場にいる老若男女すべての人が、その人が出来る範囲でいっしょにやります。出来ることしか出来ないし、出来ることをすることがいいのです。


52風にのってきたメアリー・ポピンズ/53帰ってきたメアリー・ポピンズ/54とびらをあけるメアリー・ポピンズ/55公園のメアリー・ポピンズ/3歳児クラスか4歳時クラスに、お料理メアリー・ポピンズとか入れようかな。

この時は、3歳児か4歳児に、と考えていましたが、「お料理メアリー・ポピンズ」は、小学生クラスで発表する予定です。

 “「私の知りたいことは、」と、いいました。「こういうことなの。つまり、星は金の紙なのか、金色の紙が星なのか、ってこと。」”風にのってきたメアリー・ポピンズより




最近、啓発的というのでしょうか。〜すべきである、〜しなさい、〜しないといけない、しまいには、〜できないのはお母さんのせいである、のような。絵本でも多いように感じています。
メアリー・ポピンズの、ディズニー映画がどちらかと言うと、実は映画からこんなことを訴えています、お父さんとお母さんには子どもといっしょに遊ぶことがいいことです、というような、映画ですから仕方がないのですが、メッセージが大きいのです。

でも、メアリー・ポピンズの原作者であるトラヴァースさんは、わたしの読んだ感じですが、そんなことは求めていなかったと思うのです。
メアリー・ポピンズは、魔法使いか、魔女か、どこから飛んできたのか、そんなことはこの物語を読んでいてさほど気になりません。
 読み終わった時に、宇宙から足元を見たような、隣に座っているのはライオンではないか、そんな魅力が広がります。子どもたちは、きっとこの現実と現実ではない部分をふわりふわりしているのかもしれませんね。


帰ってきたメアリー・ポピンズ (岩波少年文庫 53)
帰ってきたメアリー・ポピンズ (岩波少年文庫 53)



















“できるだけ遠くを考えてごらんなさい、その国は、それよりもっと遠くでした。できるだけ高いところを考えてごらんなさい、それよりも、もっと高くて、できるだけ深いことを考えてごらんなさい、それよりも、もっと深かったのです。”「帰ってきたメアリー・ポピンズ」


とびらをあけるメアリー・ポピンズ (岩波少年文庫)
とびらをあけるメアリー・ポピンズ (岩波少年文庫)

風船売りのおばあさんが公園にいました。ジェインとマイケルが、風船を選びます。

 「まあ、メアリー・ポピンズ、ほんとなの?1つずつ?ほんとーほんとに?」
 
 「いつも、ほんとのことだけ、いうようにしています。」とメアリー・ポピンズは、きどっていいましたが、たいへんとくいそうにみえました。

選んだ風船を風船ばばあさんが膨らますと・・・。まるい風船のうえに、はっきり字が書いてありました。名前が。

 「わからないわ。どうして、知っていたの?まえに、わたしたちのこと、見たことないじゃない。」

 「ああ、かわいいアヒルっ子さん、いったじゃないかね、風船、風船なんだからって!これは、ことさら特別なんだよ。」


 「でも、おばあさんが、名まえを書いておいといたの?」と、マイケルがいいました。

 「わたしが?」と、おばあさんが、くすくす笑いだしました。「とんでもない!」

 「じゃ、だれ?」

・・・と続きます。この「風船」。リトミック発表会会場で、会場に入った方すべての人に配る予定です。風船になるかどうかはわかりませんが。


“もし、王さまが、どんなにお金持ちだったか話してあげようと思ったら、来年までここに座っていなければならないでしょうし、それでもまた、王さまの宝物の半分も、お話できないでしょう。王さまは、それはそれは、とほうもなく、むちゃくちゃに金持ちだったのです。つまるところ、
この全世界で、王さまのもっていないものは、たった一つだけしかなかったのです。 そして、それは、賢さというものでした。”「帰ってきたメアリー・ポピンズ」より

この王さまが変わりました。それは「歌」を教えてもらってから。王さまの歌「おお、べんきょうするなら、とことんまでも、やりましょう、だけど、それでは、いそがしくって、よくかんがえるひまがない。」
この王さまの歌「世界をぐるりとまわるのは、わたしはあまりしたくない、だって、そしたら、ただまっすぐに、家へもどってくるばかり!」脱グローバル論の、グローバルな人材とは、まっすぐ帰ってくる家のない人を作り出すことだ、を思い出したわ。

ひとりひとりがその子の今であり続けますように。

「むろん、あるとも!なににだって音楽はあるんだ。地球のまわる音を、きいたことはないかね?うなりごまみたいな音をさせるよ。」とびらをあけるメアリーポピンズ


「テームズ河は、ねむ気のさすようなフルートさ。そうとも!この世のものはなんでもー木や、岩や、星や、人間やーなんでもみんな、じぶんのほんとうの音楽をもってるんだよ。」とびらをあけるメアリーポピンズ

「子どもたちの両足は、じぶんのほんとうの音楽にあわせて踊ると、つばさのように軽く、いままでけっして、こんなに軽やかに楽しかったことはないと、ふたりは思いました。」とびらをあけるメアリーポピンズ


じぶんのほんとうの音楽にあわせて歩くと〜。これ、いいよねえ。リトミックは歩くことが表現。音楽にあわせて歩くことから。あわせて、ってね、行進じゃないのよ。じぶんの呼吸をあわせる。

目とか耳とか舌とか、感覚とよばれるものは、慣れちゃうよね。「ほんとうの」音楽。日本人はとくに、木とか雲とか風、土、鳥、虫の声、水の音、を、感覚器官が育つ時期に聴いておきたいね。その時、まわりの言葉が話せる大人が気がつくこと。「土の音がするね、いい音だね」と。

舞台があって、客席があって。舞台だけが光を浴びて輝く。客席はどこまで続いているかわからないけれど真っ暗。誰がいるかもわからない。「教育」というものを、この状態にしようとしているのではないかと。今年は、それも入れるけれど、最後は、光をすべてにあてる。


公園のメアリー・ポピンズ (岩波少年文庫)
公園のメアリー・ポピンズ (岩波少年文庫)














ひとつ悲しいのがね。あの頃のような感覚でメリーポピンズを読めない。特に、リトミック目線で読んでいるから、ここは「使えない」とか、切り捨てた読み方をしてしまう。子どもたちの姿が、その場面に入ると、よし、になるわけ。それと、言葉にリズムがあるかどうか。でも原作は英語だから苦しいのね。

むかし、むかし、あるところに/ごさくが たまげて みておるうちに、だいふくもちは こんまい もちを つぎつぎと うんだ/ひる なお くらい やまみちを すたすた すたすた/というお話だと、しっくりしたリズムになる。言葉と足がいっしょになるの。


これが、DVD。

メリーポピンズ スペシャル・エディション [DVD]
メリーポピンズ スペシャル・エディション [DVD]















この曲の最後に、カズーだと思うんだけど楽器を使っているのね。この楽器は、
1歳児クラスでペンギンさんになってみようかしら。


この本は、月曜日の献立、火曜日の献立・・とレシピが書かれています。
小学生のクラスのおともだちに、何曜日のなにを作るのかをいっしょに選んでみます。


メアリー・ポピンズのお料理教室―おはなしつき料理の本
メアリー・ポピンズのお料理教室―おはなしつき料理の本








  たとえば、月曜日の献立。

 朝ごはん
   オレンジジュース、コーンフレークス、半熟卵
   メアリー・ポピンズには、かなり濃い紅茶、子どもたちにはミルク

 昼ごはん
   ローストビーフ、ヨークシャー・プディングそえ、キャベツのバター煮、
   星の形のジンジャーブレッド

 晩ごはん
   チーズトースト、レモンゼリー

いかがでしょうか?

そして、図書館からお借りしました「メアリー・ポピンズとお隣さん」
「さくら通りのメアリー・ポピンズ」の2冊。

あの「おまじない」の言葉は残念ながら、この2冊の本の中にも書かれていなかったのです。



そしてこの本には、こう書かれてありました。

「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」
この映画のなかで、最も有名な言葉。

実はこの言葉は、19341年に発表された原作小説には出てきません。映画で初めて用いられました。






なんということでしょう。あのおまじないにときめいた事は、記憶に記憶を重ねているうちに、想像に想像を重ねているうちに、自分の中で作り話になってしまったのでしょうか。いやいや!
メアリー・ポピンズは、まだどこかにいるのです。

 「もっと真剣に考えてごらんなさい!まだまだ足りないわ!」


Mary Poppins
Mary Poppins










長くなりました。
イギリス音楽もリトミック発表会で触れていこうと考えています。
続きは、また。


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