2014年12月12日金曜日

リトミックでは考えることと、考えないこと、を身体で判断する

逆説的なタイトルをつけてしまいました。
子どもたちとのレッスンでの出来事を言葉にすることで、
伝わるかもしれないので、ちょっと綴ってみます。

どちらも今週のレッスンです。

まず、すまいるリトミック5歳児クラス。


森の動物たちに、サンタさんがプレゼントをしました。
プレゼントをしたものは?

くるみ にんじん はぶらし マフラー かんむり

全て、リズムにあてはめて

ティティター ターター ティティティティ ティティター ターティティ

それを、リズム積木で並べる。

ここまで、すんなりと子どもたちだけで作る。
続けてリズム唱で言葉とクラップをする。

2人が、1小節ズレて終わった。
なにをしたのか聞いてみたら、笑いながらこう言うんだよね。

「カノンをした」と。

びっくり。自分で考えて行動。

その積木を、上下にズラす男の子。
これも、なにをしているのか聞いてみたら、笑いながらこう言うんだよね。

「みんなで、分かれて、やろうよ」と。


つまり、

A ティティター    ティティティティ      ターティティ 

B      ターター        ティティター

Aのグループと、Bのグループで、交互唱のようにやろうと言う。

びっくり。自分で考えて行動。

それから、こんどはこうしたい、こんどはあれをしよう、と
おともだちから、たくさんの意見が出てくる。
みんなで楽しめる「遊び」を、どんどん作っていく。
遊びには、ルールが必要で、そのルールも少しずつ高度にしていくことで、
楽しみを増やしているのね。

ここまでは、今までのレッスンの中から、経験を通して子どもたちが身についたこと。
もっと楽しい遊びをしよう。

右手と左手で、同時に違うリズムが流れていくことをやってみる。
あ、何年か前に、男の子がやってくれた動画があったはず。あったあった。






子どもたちの目の色が変わった。
「むずかしいよ」「できないよ」
それでも、真剣に取り組む姿。

終わってから女の子が、
「せんせい、どうやったら、できる?」
と聞いてくれた。

考えないこと。笑。

先日この日の学校に伺った時に、甲野先生が、
「火事場でおばあさんがタンスを担ぎ上げる時、こんな重い物を持てるかしら、
と、考えたら持てないでしょう。逆説的な言い方になるが、考えないことです。」

できるか、できないか、を考えているうちは、できない。
先に、カノンでクラップをしたり、上下に積木を並べたりする時は、
きっと、できるか、できないか、は考えずに、子どもたちはやっていたのだと思う。

それならば、考えずに行動できるようにするには、どうしたらいいのか。

同じことを繰り返して言うボケばあさんのようですが、
音楽的センスを、身体に身につけること、それには、
とりあえず、頭で考えずに、身体で判断できるように、
整えること、かしら。

そして4歳児。長くなったけれど、続けます。

5歳児が、サンタさんのプレゼントをリズムで並べてびっくりしたけれど、
4歳児のおともだちも、すらっと完成。これは、この子たちの持っているものが、
光って飛び出てきたのが、今が、来年か、の違いなので、できないからと言って、
焦ることでもないのね。

その後に、タイコを出して、同じ数で同じ拍を叩くことをやろうと思ったら、

 「せんせ、あれやろうよ、あれあれ、あおいボードとか、きいろいボードとかの下に、
おにぎり置くやつ!」

 「あ、それいい!あれ、やろう、あれ!おにぎりのやつ!」

オニギリ・・???おにぎり???

このクラスでは、ニュアンスの把握として、秘密の宝物探しをやったとき、
おにぎりを使ったことを思い出した。
さっそく、オニギリ探しに変更。こちらが考えていることと比べ物にならないくらい、
その時に、子どもたちが、やりたい、と考えたことは、とてつもなく素晴らしいことなのです。

ここでも、自分たちで遊びを考えて、自分たちでルールを決めて、自分たちで行動する。

今週選挙を控えて、慌てて読んでいる内田樹先生の「街場の戦争論」。

つまり、戦後ではなく、戦前になっているのではないか、
それには、この子たちが、どうしたらいいのか、どのように学びとる力をつけておかないといけないか。

 「せんせ?リトミックのオリンピックってある?」
5歳児の女の子。

リトミックはね、残念だけど、誰かと比べたり、何点とれた、とか、数であらわすことができないの。リトミックのオリンピックは、みんなのココ。ここね、お腹とか胸のあたり、ここに、できあがるやさしい心よ。

すまいるリトミック





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